渋谷再開発、なぜ「100年に一度」と言われるのか|街が丸ごと作り直されている話

A-05 建設業の歴史と未来

渋谷、行くたびに変わってる気がする

そう感じている方、それは気のせいではありません。

渋谷駅周辺は今、街がまるごと作り直されている最中です。

業界では「100年に一度の再開発」と呼ばれているこのプロジェクト、実は2027年まで続く長期戦。

今回は、

  • 渋谷の何がそんなに変わっているのか
  • 誰がどう作っているのか
  • 完成すると渋谷はどうなるのか

を、一気にお伝えします。


渋谷再開発の全体像

渋谷駅周辺で進行中・完成済みの主要プロジェクトを並べると、こうなります。

建物 高さ 竣工年 主な施工
渋谷ヒカリエ 約183m 2012年 大成建設
渋谷キャスト 約53m 2017年 大成建設
渋谷ストリーム 約180m 2018年 大林組
渋谷スクランブルスクエア東棟 約230m 2019年 鹿島建設
渋谷フクラス 約108m 2019年 清水建設
Shibuya Sakura Stage 約180m 2023年 東急建設・大成建設
渋谷駅街区 中央棟・西棟 計画中 2027年予定 東急・JR東日本主導

スーパーゼネコン5社全員が、渋谷のどこかを作っているという状態です。


なぜ「100年に一度」なのか

渋谷駅は1885年に開業した、まもなく140年の駅です。

そこから繰り返し改修されてきましたが、駅の構造そのものを大きく作り直すのは、ほぼ初めて

しかも今回は、駅だけでなく周辺の街区も同時に作り変えている。

規模としても、影響としても、確かに「世代に一度」レベルの工事です。


渋谷再開発の3つの背景

1. 駅の「すり鉢構造」の解消

渋谷駅は、谷底にある特殊な地形に作られています。

そのため、

  • JR・東京メトロ・東急・京王がバラバラの高さにある
  • 乗換動線が複雑で分かりづらい
  • 大雨で浸水リスクがある

長年「渋谷駅は迷宮」と言われてきた問題の根本解決が、今の再開発の目的の一つです。

2. オフィス需要への対応

渋谷は近年、IT企業の集積地として急成長。

Google日本法人、サイバーエージェント、DeNA、GMO、メルカリ──。

Bit Valley(ビットバレー)」と呼ばれる、日本のテック都市。

そのオフィス需要を受け止めるため、超高層オフィスビルが大量に必要になりました。

3. 国際都市・東京の顔として

渋谷スクランブル交差点は、外国人観光客が必ず訪れるスポット

東京の国際的な顔として、街の「おもてなし機能」を強化する必要がありました。


主要プロジェクトを1つずつ見ていく

渋谷スクランブルスクエア東棟(2019年)

  • 高さ約230m、渋谷で最も高い建物
  • 屋上の展望施設「SHIBUYA SKY」が話題
  • 施工:鹿島建設JV

230mの超高層を、営業中の駅と渋谷川の真上に建てる難工事。

鹿島の超高層技術が総動員されました。

渋谷ヒカリエ(2012年)

  • 渋谷再開発の第一号
  • 東急東横線の旧渋谷駅跡地
  • 施工:大成建設JV

これが完成したことで、「渋谷の北東側に人が流れ始める」という街の変化が起きました。

渋谷ストリーム(2018年)

  • 旧東急東横線の高架跡地に建設
  • 川沿いの遊歩道「渋谷リバーストリート」を整備
  • 施工:大林組JV

川沿いを歩ける渋谷」という、過去にない景観を作り出しました。

Shibuya Sakura Stage(2023年)

  • 渋谷駅南西側、桜丘エリアの大規模再開発
  • オフィス・住宅・商業の複合施設
  • 施工:東急建設・大成建設JV

桜が見える渋谷」をコンセプトに作られた、街のイメージを刷新するプロジェクト。

渋谷駅街区(中央棟・西棟、2027年予定)

  • 渋谷駅そのものの建て替え
  • 高さ約230mの新ビル群
  • 駅・線路・道路を再構築する超難工事

これが完成して、渋谷再開発の総仕上げになります。


都市再開発の現場で何が起きているか

渋谷再開発の難しさは、「営業しながら作っている」ことです。

駅は止められない

毎日350万人以上が利用する渋谷駅。

工事のために駅を止めることはできません

そのため、

  • 終電後の数時間で線路を切り替え
  • 乗客が知らない間に、夜の間に大工事
  • 翌朝には何事もなかったように電車が動く

という、精密時計のような工程管理が日々行われています。

周辺の店舗・通行人への配慮

  • 工事の振動・騒音を最小限に
  • 歩行者の動線を毎日変える
  • 近隣テナントとの調整

これらをマネジメントするのが、施工管理技術者の仕事です。


このプロジェクトに関わる仕事の魅力

渋谷再開発で施工管理に関わるということは、

  • 数十年後も「あの時自分が作った」と街に残る
  • 超高層・地下・駅・道路まで、あらゆる工種を経験できる
  • ゼネコン業界で最高峰の技術現場で働ける
  • キャリアの大きな勲章になる

実際、渋谷再開発の現場経験者は転職市場で非常に高く評価されます。


完成後、渋谷はどう変わるのか

2027年の街区開発完了で、渋谷はこう変わります。

  • 乗換動線がシンプルになる(すり鉢解消)
  • 3つの大規模超高層ビルが駅直結
  • 歩行者ネットワークで街全体が立体的につながる
  • 緑のある街並み(屋上緑化、街路樹)

待ち合わせはハチ公前」だった渋谷が、

どのビルからも気持ちよく歩ける街」に変わっていきます。


まとめ

  • 渋谷駅周辺は2027年まで再開発が続く「100年に一度」の大プロジェクト
  • ヒカリエ、ストリーム、スクランブルスクエア、サクラステージなど主要ビルが続々完成
  • スーパーゼネコン5社全員が関与している総力戦
  • 営業中の駅・街を止めずに作る精密工事
  • 関わる施工管理技術者にとってキャリアの大きな勲章

渋谷を歩くとき、「これを誰が、どうやって作っているのか」を少し意識してみてください。

今、世界でも最先端の建設技術が、目の前で動いています。


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