「紙で家を建てる日本人」が世界中で災害現場に飛んでいる。坂茂・プリツカー賞建築家の話

未分類

20代・30代でキャリアに迷っているあなたへ。「建築家=富裕層の豪邸を設計する人」というイメージを、たった一人でひっくり返している日本人がいます。

坂茂(ばん しげる、1957年生まれ)。紙管(ペーパーチューブ=紙を巻いた筒)を構造材に使う独自の建築で、2014年に建築界のノーベル賞「プリツカー賞」を日本人7人目に受賞。

でも本物のすごさはここから先。1994年ルワンダ難民キャンプ、1995年阪神淡路、2008年四川大地震、2011年東日本、2013年クライストチャーチ、2024年能登。彼は災害があると現地に飛んで、紙で避難所と仮設住宅を作る。30年続けている。

「紙で建築?」と思った瞬間、思考停止してませんか?

普通の人は「紙の建物=すぐ壊れそう」と感じます。坂茂の紙管建築は、建築基準法の構造基準を満たす本格建築です。

紙管は再生紙を多層に巻いた厚紙の筒。直径10〜30センチ、厚み1〜2センチ。圧縮強度はスギ材を上回り、引張強度は鋼材の数分の1。防水ワックスと防火塗料を塗れば、屋内30年・適切なメンテで50年もつ。

1995年に神戸に建てた「紙の教会」は、10年使った後、台湾の地震被災地に移築されて今も現役。コンクリートより安く、軽くて、再利用できる。

能登半島地震、坂茂は1月1日のうちに動いた

2024年1月1日に発生した能登半島地震。坂茂が主宰するボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)は、即日支援活動を開始。石川県の輪島市・珠洲市・能登町の避難所に、紙の間仕切り(PPS:Paper Partition System)を約2,000ユニット提供した。

「避難所では家族の安否確認の次に、プライバシーが心の健康を左右する」と坂氏は語っています。紙管とカーテンで2m四方の個室を作る簡易間仕切り。プレハブが届くまでの1〜2か月、被災者の尊厳を守る仕事です。

「建築家は富裕層のためだけのものではない」

プリツカー賞の受賞理由書には、「彼の建築は、災害という最も困難な状況で人々に尊厳と希望を提供してきた」と書かれている。これ、本来なら「美しい建築」「革新的建築」を評価する賞ですが、坂茂は「社会的役割」で世界トップに立った。

坂氏のスタンスは「建築家は商売人ではなく、社会の公器であるべきだ」。富裕層向けの豪邸を設計する建築家がいる一方で、難民・被災者・低所得者向けの建築に取り組む建築家がいてもいい。両立する。

事務所は神田、世界20か国にプロジェクト

坂茂建築設計は東京・神田の事務所で約30人のスタッフと運営。利益が出る商業案件(ポンピドゥー・センター・メス、スウォッチ本社、大分県立美術館)と、収益を期待できない人道支援案件を、同じ情熱で並行する。

2010年フランス・メスの「ポンピドゥー・センター・メス」は屋根が中国の麦わら帽子モチーフ、グルラム集成材を編み込んだ。表面はガラス繊維膜で覆われている。1万6千本以上の集成材を3D CAD/CAMで精密加工。

20代で「人の役に立つ建築」をやりたい人へ

2026年現在、日本は災害大国。能登半島地震、首都直下、南海トラフ、台風被害、線状降水帯。災害復旧支援に関わる建設技術者の需要は、悲しいかな増えています。

応急仮設住宅、避難所運営、復興工事は、社会貢献としての建設業のキャリアパスです。給料は派手な広告代理店より地味かもしれない。でも、人生の重みが違う。

坂茂のような「社会的役割を意識する建築家・施工管理技士」は、世界でも珍しい。日本の建設業の中で、災害復旧・人道支援に関わる枠は今後10年で確実に広がります。

紙管建築の世界事例リスト

1994年ルワンダ難民キャンプ:UNHCRと協働で紙管シェルターを提案・試作。森林伐採を抑える代替素材として注目された。

2008年四川大地震:被災地で小学校仮校舎を紙管で建設。日中協力プロジェクトとして注目。

2011年東日本大震災:宮城県女川町に紙管の仮設住宅「コンテナ多層仮設住宅」を建設。2階建て・3階建て構造で限られた敷地に多くの住民を収容。

2013年ニュージーランド・クライストチャーチ:地震で倒壊した大聖堂の代わりに紙管とコンテナで「紙の大聖堂」を建設。観光名所に。

2024年能登半島地震:石川県の被災地に紙の間仕切り約2,000ユニットを設置。

大分県立美術館は地元職人の誇り

2014年開館の大分県立美術館(OPAM)は、施工が大成建設大分支店、木材は大分県産スギ。地産地消の建築として地域経済に貢献し、地元の20代〜30代の職人が「世界的建築家の作品に関わった」という誇りを持って働ける現場でした。

世界的建築家=東京・大都市の話、ではない。地方の現場でも、世界に届く仕事はできる。20代でUターン・Iターンを考えている人にも、現実的な選択肢になります。

これから建設業を目指す20代へのメッセージ

坂茂の活動から読み取れるのは、「自分の技能を何のために使うか」という問いです。同じ建築・施工管理の資格を持っていても、超高層を建てる人、災害支援に向かう人、文化財修復に向かう人で、人生の意味が変わる。

20代後半〜30代前半は、その「方向」を選べる時期。一度ITやコンサルに行って違和感を持った人ほど、建設業の「ものを作って人を守る」感覚にハマる傾向があります。

20代・30代でキャリアに迷っているあなたへ

「給料は上げたい、でも今の仕事に未来を感じない」「未経験から建設業に飛び込んで大丈夫?」「20代後半・30代前半でキャリアチェンジは遅くない?」

そう感じているあなたに、日本施工キャリアは現役で建設業界に身を置くキャリアアドバイザーが、無料LINE相談を提供しています。年収・働き方・資格取得・将来性まで、知りたいことを一対一で聞ける場です。求人紹介の前に、まずは「自分にこの業界は合うのか」を一緒に整理しましょう。

LINE公式アカウントの登録は無料。しつこい連絡は一切しません。20代・30代未経験からのキャリア相談、お待ちしています。

この仕事、ちょっと気になったら

転職を決めていなくても大丈夫です。無料でキャリア相談できます。
しつこい営業はしません。

LINEで気軽に相談する
メールフォームで相談したい方はこちら

タイトルとURLをコピーしました