Z世代の鳶職人が東京の空を作っている。年収600万、SNS発信、海外案件も

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20代・30代でキャリアに迷っているあなたへ。SNSで「#鳶職」を検索したことありますか。地上200メートルから街を見下ろす動画、ニッカポッカ姿の自撮り、玉掛けの実演動画。鳶職人のZ世代が、自ら情報発信を始めています。

鳶(とび)は、建設現場の高所作業を担う専門職人。江戸時代の町火消しから始まり、明治の鉄骨造、戦後の超高層、2026年のデータセンター・洋上風力まで400年続く花形職業です。

年収は経験5年で450万〜650万円、職長クラスで700万円超。日給2万〜3万円が相場。1級資格を持ち海外案件に出れば1,000万円超もあります(出典:厚労省「賃金構造基本統計調査2025年版」)。

「現場の華」って、なんで呼ばれてるの?

鳶は、建設現場で最初に入って足場を組み、最後に解体する。鉄骨工事では地上200m超で命綱を頼りに作業する。動きの俊敏さ、判断力、チームワーク、すべてが現場で目立つ存在です。

ニッカポッカ(裾の広いズボン)、地下足袋、手甲(てっこう)の作業服文化は、江戸の町火消しから400年続く伝統。これを着こなす職人は、現場で一目で分かる「アイコン的存在」です。

近年は若手鳶職人がInstagram・TikTokで仕事風景を発信し、「カッコいい職業」として20代女性からの認知度も上がっています。

鳶には3種類ある。自分に合うのはどれ?

第一に「足場鳶(あしばとび)」。建設現場の外周に足場を組み、解体する。一般住宅から超高層まで、すべての現場に必要。需要が安定していて未経験者の入り口に最適です。

第二に「鉄骨鳶(てっこつとび)」。鉄骨造ビルの柱・梁を組み上げる。クレーンで吊り上げた鉄骨を高所で受け取り、ボルト締めで固定する。高層ビル・橋梁・大型工場で活躍。報酬は最も高い部類。

第三に「重量鳶(じゅうりょうとび)」。プラントの機械・大型機器の据え付け担当。工場・発電所・化学プラント・洋上風力で需要急増中。年収700万〜1,000万円超のレンジ。

江戸時代、鳶は超リスペクトされていた

8代将軍徳川吉宗の時代(1720年代)、町奉行・大岡越前の発案で町火消し「いろは48組」が編成。各組の頭(かしら)は地域の名士で、火事になると纏(まとい)を立てて消火に駆け付けた。

江戸の火事は「江戸の華」と呼ばれるほど多く、鳶は江戸の安全を守る存在として庶民に親しまれた。歌舞伎・浮世絵には鳶の姿が頻繁に描かれ、勇み肌・気っ風の良さで知られる職人文化が確立した。

「鳶=カッコいい」のイメージは、Z世代が思いついた話ではなく、400年前から続いています。

未経験から鳶になるのって、現実的?

結論、現実的です。学歴は不要。多くの鳶工事会社が18歳〜35歳の未経験者を採用しており、入社後に必要な技能講習・特別教育を受講します。

必要な資格は、足場の組立等作業主任者、鉄骨組立等作業主任者、玉掛け技能講習、フォークリフト運転技能講習。入社後数年で取得可能。「とび技能士」(1級・2級)の国家資格を取れば、職長・現場代理人として独立も可能。

2026年現在、建設業界は深刻な人手不足。鳶は引く手数多で、20代未経験者にとっては「会社が育てる前提」で採用してくれる稀有な業界です。

「死と隣り合わせ」のイメージは、もう古い

確かに昭和の時代、鳶は労働災害件数が多い職種でした。しかし2022年1月、フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)の使用が義務化。墜落時に体への衝撃を分散する設計で、致死率が大きく下がっています。

足場の組立にも「先行手すり工法」が普及。作業員が登る前に手すりを取り付けるため、墜落リスクが大幅に低減。鳶業界全体で「安全第一」の文化が定着しています。

2024年4月からは時間外労働の上限規制(月45時間・年360時間)が建設業にも完全適用。「夜中まで現場、休みなし」というイメージは、もう令和の鳶には当てはまらないケースが増えています。

洋上風力・データセンター・半導体工場で需要が爆発中

2025年現在、橋梁・プラント鳶の需要は、再生可能エネルギー(洋上風力発電)・半導体工場・データセンター建設で急増中。専門性の高い鳶職人は、年収700万〜1,000万円超の好条件で活躍しています。

特に洋上風力は、高さ150mの風車を海上で組み立てる極限の現場。世界トップクラスの技能と報酬が必要な分野で、20代でこのスキルを身につけた人は、欧州案件への海外派遣もあり得るキャリアパスです。

未来の鳶は、ドローンとVRを使いこなす

2026年現在、鳶職にもデジタル化の波が及んでいます。BIM(建築情報モデリング)データを活用した足場計画、ドローンによる現場点検、ウェアラブルカメラによる遠隔指導など、新技術が次々と導入されている。

鳶職会社の中には、若手育成にVR(仮想現実)を活用するところも。地上で安全に高所作業の感覚をシミュレートし、未経験者の早期戦力化を実現しています。「アナログな職人技」と「最新IT」のハイブリッドが、令和の鳶の標準スタイル。

「自分が今ここで働いていたら」を想像してみる

あなたが今、東京駅周辺・新宿西口・渋谷スクランブルスクエア・港区・湾岸エリアを歩いているとき、上を見上げてください。高層ビルの建設現場で動いているのは、ほぼ20代〜30代の鳶です。

体力に自信があり、チームワークを大切にできる方には、職人としての誇り・高い収入・社会的尊敬を得られる、たぶん日本で一番割のいい仕事の一つです。江戸の町火消しから400年、鳶は今も建設現場の花形であり続けています。

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